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行動食の摂り方

■ 登山における行動食とは

 朝食、昼食、夕食。この3食は、通常の街で生活している時に多くの人が習慣づいている食事のタイミングですが、山登りの食事の考え方はちょっと異なっています。朝食や夕食はテントや山小屋・ロッジ等で普通に食事しますが、昼食の摂り方は人の好みやルートによって様々です。たとえば、テント場に昼の12時に到着してガスバーナーやコッヘルで昼食を調理する人もいれば、パン、飴やチョコレート等を定期的に食べて昼食の時間を取らない人もいます。また、山登りは朝早く出発することが多いので、朝6時に朝食をとって夕方まで夕食をとらない場合、昼の行動している間が長くなり、1〜2時間ごとにちょっと休憩して少し食事をとるスタイル(行動食をとる)が主流です。
 登山における行動食とは、おにぎり、パン、ソーセージ、アメ、チョコレート、カロリーメート等の栄養食等の食事を手軽に細切れに取れるように小分けに食べる食事のことをさします。季節や行くルートによって、行動食の選択が疲労・山での楽しみ・食欲増進等に影響を及ぼすこともあるので、計画によってよく考えて選択しましょう。

■ カロリー・栄養補給として

 登山のエネルギー補給として、行動前/行動中/行動後の3つのタイミングがあります。行動食は、主に行動中と行動後のエネルギー補給として考えましょう。
 行動前は、完全な空腹だと力が出ないので、パン/おにぎり/バナナ等を軽く食べます。消化が良い比較的やわらかいものを食べると、山登りに影響が少ないですね。
 行動中は、小休憩のたびに150kcal程度摂り、大休憩で400kcal程度摂りましょう。食べないとシャリバテし、力が出ません。シャリバテとは、食事によるエネルギー源が得られず、体内の血糖値が下がり、どっと疲れたり、頭がふらふらしたり、運動パフォーマンスが急激に落ちることを言います。また、行動中にアメや小さなチョコレートを定期的にとったり、アミノ酸等が含まれるスポーツドリンクをとるのも効果的です。
 行動後は、20分以内に400kcal程度摂ると、筋肉内に蓄えられているグリコーゲンを効率よく回復させることができる。たんぱく質と糖質を3:1の比率で摂るのが効果的です。テント場や山小屋に到着後、水分をしっかり補給し、400kcal程度の行動食をとってから、深呼吸しながらストレッチして運動後の身体をクールダウンさせることによって、次の日に疲労を残しにくくできます。

■ 行動食の摂り方

 まず、長期の登山において日常生活と同じ量・同じ美味しさを摂ろうとしない。山登りは長時間・低負荷で行動するために、高カロリーの食事をとることが重要です。また、荷物が重くなっても、疲れやすくなったりするので、軽い行動食を選択することも重要です。1日分の行動食の量を試算し、掛ける日数分+余分を用意します。1日分の行動食を小分けすることで、食料を管理します。山登りは衣食住の荷物を背負って行動するので、行動食もしっかり管理することが重要です。
 【予備食・非常食】予備食や非常食はこれとは別途準備します。予備食とは、たとえば1泊2日の行程で登山をする際に、1食分多く持っていき、行動が予定より長くなった場合や不測の事態に備えるための予備です。パン1つとチョコレート等で十分です。非常食は、ケガや天気のために停滞せざるを得なくなった場合の非常時に取る食事のことで、チョコレート、アメ、小分けになったアミノ酸、キャラメル等を一握りもっておけば十分です。
 【準備例】
 ・小さい袋に1日分の分量(例えば、カロリーメイト(80g)1、ソーセージ1、アメ5、チョコレート150g、ナッツ類100g、ドライフルーツ30g、アミノ酸等のセット)を作成する。
・上記セットを日数分用意する。
・上記セットで足りなくなることを想定し、1日の余分としてエナジーバーを1〜2追加する。
・6時間の行動で小休憩2、大休憩2と考えると、休憩ごとにチョコレート、ナッツ、ドライフルーツを決めた量とり、大休憩でそれに加えてカロリーメイトやソーセージを追加する。行動中は、アメをとる。
・個人的に、余分としてジャッキーカルパス(冬季でも凍りにくい)、いちご大福等、嗜好品も含めるようにしています。

■ 行動食のバリエーション

 行動食には、エナジーバー、ジェル、チョコ類、スナック類、おにぎり等があります。それぞれの特徴を見てきましょう。 (1)エナジーバー:エネルギーの他に様々な栄養素を含む万能行動食。
 エナジーバーは、Energy Bars/Organic Bars/Raw Foodsの3つに分類されます。 (A)カロリーメイト:エナジーバーの代表。パサつくので水分補給と共にとります。(B)パワーバー:味が濃く、すこし粘性があり好みが分かれる。(C)クリーム玄米ブラン:様々なフルーツやチーズ等のバリエーションがあり、お菓子感覚で取れる行動食。玄米やオールブラン、食物繊維、鉄分、ビタミンを含む。(D)1本満足バー:ざくっとした食感で少量でも満足感があり。食物繊維、ナトリウム、ビタミンを含む。(E)ソーセージ:グラム当たりのカロリーは少ないが、良質なたんぱく質※を多く含み、エネルギー補給と共にアミノ酸を摂ることができます。他に、ハム、チーズ、豆類、きな粉等。(※プロテインともいい、L-アミノ酸が多数連結(重合)してできた高分子化合物で、生物の重要な構成成分のひとつである。)
 (2)ジェル:最も消化吸収が早く、高負荷の運動前・運動後に最適。重さが難点。
 (F)アミノバイタルマルチエネルギー(160kcal)及び(G)アミノバイタルSUPER SPORTS (100kcal)は、エネルギー補給とアミノ酸※を効果的に摂取できます。水分を多く含むことから疲労時にも食べやすく、キャップがついているので数回に分けて摂れます。(H)朝バナナ:ジェルのなかで最もエネルギーが高い。バナナとさわやかなヨーグルト味。(※アミノ酸はタンパク質の最小単位なので吸収が早い。特にBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)は体内で生成できず、体外から摂る必要がある)
 (3)チョコ類:100g当たりのカロリーが最も高く、非常食・予備食に最適。
 (I)アーモンドチョコレート:最もグラム当たりのカロリーが高く、エネルギーの補給に良い。のどが渇くので水分補給と共に。
 (4)スナック類:小分けで取れるので大袋でこまめに摂れる。
 (J)ミックスナッツ:アーモンド、カシューナッツ、クルミ、ピーナッツのミックス。鉄分、ナトリウム、食物繊維、ビタミン等も含まれる。(K)黒っ子:黒糖。自然食なので、食欲が少ない時でも摂りやすい。(L)ぶどう糖:さわやかな味でポリポリ食べれる。
 (5)おにぎり等:美味しいが重く保存がきかないので長期山行には向きません。日帰りの山行や1日目のお昼ご飯に準備しましょう。
 (M)おにぎり:美味しいが長期山行の行動食には向かない。1日たつと乾燥して、お米がぼさぼさになり、長期保管ができない。重い荷物につぶされてしまう。
登山の行動食のバリエーション
登山の行動食のバリエーションの例

■ 1泊2日での行動食の例

 1泊2日での行動食の例を示します。行動食の総カロリー/総重量は、1日目は1300kcal/275g)、2日目は1200kcal/268g、余分562kcal/120gで、全部で3062kcal/663gになります。
1泊2日での行動食の例

■ 登山に必要なエネルギー

 成人が1日に必要なカロリーは1800〜2200kcalで、登山に必要なカロリーは4時間程度の歩行で上記にプラス約2500kcal、8時間程度の歩行で上記にプラス約4000kcalです。これらのカロリーを全て行動食や、朝食・夕食でまかなうのは現実的ではありません。朝食(400kcal)、行動食(1600kcal)、夕食(500kcal)だと、合計2500kcalなので、上記の歩行も含めると、食事だけでは足りないことがわかるでしょう。
 これらの不足分のエネルギーは、(1)筋肉中の筋グリコーゲンと(2)体脂肪でまかないます。(1)は運動後に回復する必要があるので、1日の行動後20分以内に300kcal程度の栄養補給すると効果的です。これを回復させないと、翌日にだるい疲労が残ります。(2)は体脂肪1gで約7kcalのエネルギーを持っているので、4000kcalだと体脂肪約600g分に相当します。

■ 山岳ガイド 店長の行動食の摂り方

 行動食について私が気を付けている点や実際やっていることを紹介します。行動食について、無雪期(夏)と積雪期(冬)で考え方を変えています。無雪期の装備は積雪期のそれよりも比較的軽く、コンパクトにパッキングできるので、行動食も比較的自由に選択しています。1泊2日程度の山行であれば、おにぎり、パン、カップラーメン等を出発前に購入します。積雪期の装備は重く・かさばりやすいので、高カロリーでコンパクトなものを選択します。1泊2日程度の山行であれば、サラミ、カロリーメイト、チョコ等を選択します。これらの食品は水分量が少なく、凍りにくいため気温が下がっても食べることができます。逆におにぎりやサンドウィッチは凍ってしまい、ぱさぱさしたり傷んでしまって味が落ちます。
 体脂肪率について、無雪期(14%)と積雪期(16%)で体脂肪率を、普段の食生活でコントロールすることによって、行動量への対応をしています。

■ エキスパートアドバイス

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