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アコンカグアタクティクス

アコンカグア登頂タクティクス 〜南米大陸最高峰6962m峰登頂の戦略とタクティクス〜

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 このページでは、南米(アメリカ)大陸最高峰のアコンカグア山登頂のための戦略(ストラテジー)、戦術(タクティクス)、準備、計画、現地の情報等を紹介するページです。2012年12月19日〜2013年1月8日までの遠征と1月1日無事登頂した結果等をまとめて説明します。
 また、このページの内容は、アコンカグアを全く知らない方向けではなく、ある程度アコンカグアに対して前向き(登頂するつもりがある)な方向けですので、概要を省いている場合もあります。

 ↓2012年12月19日〜2013年1月8日までの南米大陸最高峰 アコンカグア遠征のルート、日程、動画等の記録のダイジェスト版です。


全体概要

 一般的にアコンカグア山は数ある7,000m峰の中で技術的には簡単な部類に含まれますが、7,000mという高所は平地の40%程度しか酸素分圧がありませんので、強靭な体力と精神力が必要です。海外の高所登山の事前準備として、体力、歩行技術、装備やロープワークの知識・技術習得と経験等はもちろんのこと、食事、乾燥した環境への順応、高所順応等の現地環境への適用も重要な要素になります。
 そのため、遠征時期の計画、装備の選定、トレーニングなどの準備期間を含めると登頂日の1年前には、ほぼすべての計画が予定されていないと登頂はおろか、登頂アタックすることも難しいでしょう。
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■ 位置・地形

 アコンカグアは、七大陸最高峰の一つで、南米大陸最高峰です。
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 アルゼンチンのメンドーサから車で移動して、Peente del Inca(プエンテデルインカ)やLos Penientes(ロスペニエンテス)がロッジに泊まれる最終的な宿泊場所です。メンドーサからの道路はしっかり整備されて、普通のアスファルトの道です。ロスペニエンテスにも小さなショップがあり、水や最低限の食料は購入できますが、期待しないほうがいいでしょう。プエンテデルインカは観光スポットで多くのお土産屋が並び、観光バスも止まっていることがあり、にぎわっています。
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準備

■ 登山計画

 アコンカグアへの登山は、登頂したい日の約1.5〜1年前くらいから、全体的な計画をし始めます。メンバーの選定(ソロか複数メンバーか)、日程の検討(年末年始の連休が合うかどうか)、仕事の調整(長期休暇のための下ネゴ)、トレーニング計画(体力、筋力、持久力、技術、知識等)、装備準備計画(既存と新規の装備)、遠征費用の予算の算出と捻出等をどのように進めていくかを検討します。これは、アコンカグア登山のみならず、海外遠征の時は、おおよそこの内容を検討します。
 海外遠征は一種のプロジェクトで、時間、お金、モノ、ヒト、情報が限られた中で、登頂して生きて帰ってくるという目標を達成するために、最大限のパフォーマンスを発揮することが求められます。その目標が困難なものであればあるほど、準備に時間がかかったり、より入念に計画・検討することが必要になります。人生において、仕事以外である一定期間そうったプロジェクトに取り組める機会は少なく、海外遠征を経てよりいっそう自分の人生観や価値観が多様化され、今後の人生が豊かになると考えています。

■ トレーニング

 アコンカグアへ登頂すると決めたら、毎週登山するようにしてください。7000m峰登頂というのは、とても難しいことです。アコンカグアに挑戦する人でも、天気や体調が悪く登頂アタックできない人が半分以上います。そういったふるいに落とされないように、最低限十分な体力をつけていくことが求められます。体力は、高山病、気持ちに大きく影響して、体力がないと登る気力やモチベーションも下がってきます。
 2012年に実施した我々のトレーニング内容を紹介しておきます。ただし、チームのメンバー、既存の力量・経験・知識等、それぞれのチームでトレーニング方法が異なってきますので、あくまで参考にしてみてください。我々のチームは(1)体力、(2)筋力、(3)メンバーの交流、(4)高度順応という4つの観点から、トレーニングを実施しました。
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(1) 体力トレーニング

 一口に体力といっても内容は様々です。ここでのトレーニングは、主に持久力、心肺能力といった体力系のトレーニングです。持久力は長時間の登山やランニング、心肺能力は30分程度のインターバルトレーニングを行います。持久力は、登山を通したトレーニングが最も効果的なので、10〜20kgの荷物を背負って比較的長い時間(1〜2時間)連続して歩行するトレーニングを毎月最低4日実施します。インターバルトレーニングは、5分間高強度、5分間低強度の1セットを30分の中で3セット行います。高強度は5分程度継続してできる負荷の高い運動(たとえばランニング等で心拍数を上げる運動)を行い、低強度は心拍数を100〜120程度まで下げるような運動を行います。これを繰り返すことによって、心拍数の戻りが早くなり心臓が強くなっていきます。

(2) 筋力トレーニング

 高所登山のためには筋力は欠かせませんが、つけすぎにも注意です。筋力は重いだけでなく、筋肉中のグリコーゲンを消費するので、単に肥大化した筋肉は高所登山では嫌われます。しっかりした体幹と、主要な筋肉、山を登る・下るといった動作のための筋肉等バランスの良い身体作りが求められます。
 登山にもっとも重要な筋力は体幹(腹筋、背筋)なので、体幹をバランスよく鍛えるために、腹筋、背筋の筋力トレーニングに加え、身体をねじって回転させ負荷をかけるトレーニングを加えると効果的でしょう。

(3) メンバー交流

 チームで登頂を目指す登山隊では最も重要なことがメンバー間での交流、意識合わせです。インドアジム等でのトレーニング、体力つくりのための登山等を一緒に行うことで、メンバーの強み・弱みを事前に認識しあい、助け合って登頂することが可能になります。全く知らない人同士で7000m峰は挑戦したくないですよね。
 こういった高所登山ではチームで登り、テント、食料、燃料等の共同装備を協力して荷揚げして、装備をシェアして省力で登ることが登頂の可能性を高めます。国内でのトレーニングや装備の相談など、真剣に相談・検討することができる仲間を作ることは、今後の山登りを進めていくうえでも糧となります。

(4) 高度順応トレーニング

 低酸素室でのトレーニング、各イベントでの高度順応トレーニングに加え、高度順応するためのノウハウ・知識を学びます。
 低酸素室でのトレーニングは、都内や各地に低酸素分圧室でのトレーニングで、疑似的に高所の酸素濃度を作り出す部屋で、ランニング、踏み台昇降運動等でトレーニングを行います。心肺系のトレーニングになるので、短期間でもトレーニング効果が出やすいので、出発の2〜3か月前から定期的に通うと効果が高いでしょう。
 高度順応トレーニングとしては、日本だと富士山が最も高いので、富士山に登ることが最も効果的です。ただし、アコンカグアの登山シーズンである12月〜3月の前の、10月、11月には、寒気が入り込むとあっという間に真冬の登山となるので、天気予報、登山道の状況をよく確認してアタックしましょう。頂上に1泊して、お鉢を2〜3回まわると効果的です。
 高度順応するためのノウハウは、Webでの情報、書籍などから、得ることができます。登山の運動生理学百科 山本 正嘉 (2000/6)は、海外の高所登山を目指す人ならだれでも熟読する本ですので、ぜひ、早めに手に取るようにおすすめします。

■ 登頂のための6つの心がまえ

 トレーニング実施前に、遠征メンバーにお話しした心がまえを紹介しておきます。
 (1)今現在、アコンカグア登頂に必要な体力・筋力、全ての装備、知識・技術は持っていないとお考えください。今まで経験したどんなにつらい登山の何倍も大変な挑戦であることを認識してください。
 (2)どんなにトレーニングしても、頂上アタックは5歩歩いて休むような行動しかできません。国内で十分トレーニングしていないと、頂上アタックすらできないことを認識しておいてください。
 (3)アコンカグア山に挑戦すると決めたら、毎週登山(トレーニング)するようにしてください。出発まで19週(133日)しかありません。登山に行けないときは、ランニング、スポーツジムでのトレーニングを4時間程度行ってください。
 (4)登山を通じて体力・筋力トレーニングが最も良いトレーニングです。雨・低温・雪等の悪天候こそトレーニング日和ですが、台風や強い冬型の時のトレーニングは無謀ですのでお止め下さい。
 (5)トレーニングジムでは体力(心肺系)と筋力に分けて考えてください。体力は心肺力向上のため、インターバルトレーニング(5分高強度な運動と15分低負荷での運動を繰り返す)を行ってください。筋力は主に体幹(腹筋、背筋)を中心に、比較的低負荷で(20RM程度)行ってください。余計な筋力は、酸素を使い体重を増加させるので高所では邪魔になることがあります。
 (6)高所登山の生活は、日本の登山生活とは全く異なると考えてください。ベースキャンプ以降は山小屋はなく、食事は高カロリーで少なく・まずく、水は得にくく、乾燥して紫外線が強く、風が強く寒く、トイレは大変、全てのことがめんどくさくなり、4000mを超えると多かれ少なかれ高山病の兆し(頭痛や食欲不振)がみられます。こういったストレスフルな環境で生き抜くためには国内での登山の経験がものをいいます。様々な環境を受け入れて楽しめるようになることができれば、登頂の可能性は高まります。

■ 登山申請

 2012年シーズンから、アコンカグア州立公園公式ホームページにて、事前に登山者全員の「オンライン登録」が必要で、オンラインで登録し、登山申請書や登山申請料の支払バーコード等をプリントして持っていきます。下記ページは2012年シーズンの内容を説明しているので、Webページ等で最新の申請方法を確認してください。
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■ メンバーの役割分担

 我々のチームは、メンバーがそれぞれの役割を担うことによって、各自が自主的に登頂に挑戦するようにしました。(1)リーダー(行動決定)、(2)情報収集(事前準備と現地)、(3)装備管理、(4)食糧管理、(5)体調管理、(6)天候管理、(7)記録の7つです。
 (1)リーダー(行動決定)の役割は、遠征中の行動内容全般を意思決定する、登山活動中の行程を検討、決定する、天候・体調・装備管理のバックアップを担う、等チームをまとめる役割です。リーダーは常に生きて帰ることにもっとも重きを置き、判断を下します。
(2)情報収集(現地)の役割は、他チーム、ベースキャンプ、現地通信を通じて、天候、ルートの情報を収集する。現地エージェント、他の登山者を含め様々なメディア、コミュニケーションによって、遠征を成功するための情報を収集します。時には、一緒に飲み明かしたり、ランチをしたり、常に正しい、最新の情報を収集し、メンバーに的確に伝えることが求められます。
 (3)装備管理の役割は、遠征メンバー全員の共同装備を管理する。共同装備の選択、使い込み状況、だれが持っているか、チームを分けたときの装備の有無等、状況によって最適な配分ができるように検討します。共同装備表、個人装備表で全員の装備の状況を管理します。
 (4)食糧管理の役割は、登山活動中の1日、活動全体の食糧を管理する。ベースキャンプまで、最終キャンプまで、最終キャンプ等で1〜2日単位で小分けにして、管理します。食糧一覧、食糧計画表を作成、実績を管理します。
 (5)体調管理の役割は、登山活動中の遠征メンバー全員の体調を記録する。毎日朝にメンバー全員の体調をヒアリングして記録します。けっこう気持ちを続けるのが大変なので、大らかな方か女性が適しています。
 (6)天候管理の役割は、遠征中の天気の記録、天気予報の情報の取得と天候の総合的な判断を行う。民間の気象情報サービス(10日間)も併用し、登頂日を決定する。ただし、行動決定する場合は、リーダーと相談して決定します。登頂日の天候が最も良い日になるように、全体のスケジュールを検討します。天気記録表、天気予報表を使って管理します。毎日予報の状況を管理することによって、時間の変化に伴う傾向が捉えられ、現地でより精度の高い予報することができます。  (7)記録の役割は、遠征中の写真、行動時間、内容を記録する。遠征報告資料の作成です。

■ 現地のエージェント手配(現地の移動)

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■ 航空券

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■ アルゼンチン メンドーサ(Mendoza)での登山準備

 メンドーサは、ブエノス・アイレスから西に約1000kmの場所にあり、上質のワイン生産地としても知られています。町は多くのレストラン、ショッピング、カフェ、お土産屋がならぶ観光地で、休日は多くの人で混雑しています。
 このメンドーサは登山準備のための最後の拠点です。この町で必ずやるべきことは2つ。(1)装備品・食料品の購入と、(2)登山申請の2つです。

(1)装備品・食料品の購入

 日本から遠征する場合は、船便で遠征装備を運ばない限り、ガス缶を持ち込むことはできないため、町の登山用品店でガス缶を購入していきます。独立広場(Plaza Independencia)の東側にのびる通り(オレンジ色塗り)は、道路に多くのレストランが並び、野外で食事を楽しむ通りになっています。この通り沿いに、3店舗ほどの登山用品店があるので、ここで準備しましょう。一部の店はレンタルサービスしているので、何か重要な装備はここでそろえることもできます。また、独立広場の北側角あたりに、マウンテンハードウェアの店舗があるので、ここは重宝しました。装備の品ぞろえがよく、高所での食料があったり、レンタルサービスの種類も充実しているので、自分の装備に不安があれば、訪ねてみるのも良いでしょう。また、我々が遠征した2012年の年末に季節外れの大雪が降ったらしく、サンチアゴからの物資が届けられず、ガス缶が不足していました。エージェントの協力を経て、何とか目標数揃えましたが、海外遠征ってこんなこともあるんですよね。

(2)登山申請

 登山申請は独立広場から東に300mほどいった観光局で行います。日本で、インターネットで事前に登山申請を行い、支払い書を印刷しておきます。この支払い書を近くの支払いができる場所(我々はPAGOという場所)で、アルゼンチンペソで支払います。その支払い証明書を持って、観光局に行き、登山申請します。
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ルート

■ メンドーサからオルコネス渓谷入口 アプローチ概要

 車での移動になります。途中、いくつか町を通り過ぎるので、そこで食事をとることになると思います。必ず、水を持参しましょう。始めは真っ平らなブドウ畑が広がる広野を進みますが、次第に氷河が映える山岳が見えてきて、アンデス山脈の中に入ると5000m峰が立ち並び否が応でも意欲を掻き立てられるでしょう。
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■ オルコネス渓谷入口からBCまでの登山ルート概要

 オルコネス渓谷入口からBCまでは、比較的なだらかな登山道を登ります。大きなアップダウンは、コンフルエンシアキャンプから下りがありますが、これ以外は基本的には登りです。コンフルエンシアまでは登山道はわかりやすいですが、コンフルエンシアからは登山道が明瞭でないので、十分注意して進みましょう。

(1) オルコネス渓谷入口からコンフルエンシア

 ロスペニエンテスからオルコネス渓谷の入口のレンジャーステーションまで車で約30分程度。このレンジャーステーションでいったん車から降りて、入山申請をします。申請後再び車に乗って約10分で登山口に到着します。広い駐車場とヘリポートがあります。オルコネス渓谷の登山口からコンフルエンシアまではほぼ傾斜がないゆるやかな登りです。登山道もいくつか分岐していますが、最終的に1本に集約されていくので、迷わないでしょう。約3〜4時間でコンフルエンシアに到着します。途中、日陰は全くないので、登山口で入念な紫外線対策をしてください。
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(2) コンフルエンシアからプラザデムーラス(BC)

 コンフルエンシアからプラザデムーラスも、上記(1)と同様に日陰はほとんどないので、登山口で入念な紫外線対策をしてください。さらに、砂ぼこり、日射等、乾燥した場所ですので、水分は十分持ってスタートしましょう。登山道はわかりにくいですが、踏まれた後や石が並んでいたりします。しっかり見定めてルートを選択しましょう。間違った場所を進むと後で川を渡れなかったり、けっこう厄介ですので、まわりに登山者がいれば注視して、多くの人が進む道が正しい場合が多いです。
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■ BCから頂上までの登山ルート概要

(1)BCからC1

 BCからC1へは、山頂に向かってのびるトレースでこれまでにない急斜面を登ります。出だしが、岩場、ザレ場でスリッピーなので、しっかり体重移動させて転ばないようにしましょう。これ以降は数か所岩場があり、直上する方向にジグザグに登っていくとC1です。天気が良ければ、C1やC2までアプローチシューズで行けるので、靴底が固い高所登山靴よりも歩きやすいでしょう。BCからは高所順応のために、よりゆっくりしたペースで登ります。体調や天気が良いとペースが上がりがちですが、ぐっとこらえてゆっくりゆっくり登ります。
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(2)C1からC2

 C1からC2へもBCからC1への登山道と同じような斜度や状況です。C1から左上する方向に多少ジグザグしながら登ります。多少残雪が多くなりますが、気にするほどではありません。
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(3)C2からC3

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(4)C3から頂上

 さーて、やってきました最後の行程です。気合を入れて登頂にチャレンジするモチベーションが上がりますが、生きて帰る必要もあります。しっかり、自分、チームメンバーの状況を把握、判断しましょう。それができない場合は、危険な状況にあることを認識しましょう。
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(5) 衛星画像の鳥瞰図

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キャンプ

camp01.png オルコネス渓谷入口から、アコンカグア山頂まで数多くのキャンプ地があり、時代とともにすたれている場所もあります。
 C1から標高の高いキャンプは、水は雪渓の氷・雪を溶かして得ることができます。また、常設されたトイレがないので、大便は岩陰に隠れてあらかじめ準備したビニール袋と新聞紙等を使ってBCまで持ち帰ります。
 このページでは、主なキャンプ地だけ紹介していきます。オルコネス渓谷入口とプラザデムーラスの中間にあるコンフルエンシア(Confluencia)、ベースキャンプのプラザデムーラス(Plaza de Mulas)、我々がC1として使ったカナダ(Plaza Canada)、多くの登山隊がC1もしくはC2として利用するニドデコンドレス(Nido de Cóndores)、最近ではあまり使われなくなった最終キャンプのベルリン(Berlín)、我々がC3として使ったコレラ(Corela)を紹介します。



■ コンフルエンシア Confluencia 3400m

 コンフルエンシアはオルコネス渓谷入口からプラザデムーラスまでの登山道のちょうど中間あたりに位置するキャンプ場です。アコンカグアを目指すたいていの登山者はここで1日停滞して、高度順応を行い、プラザデムーラス入りします。現地エージェントの大型テントが立ち並び、食事、宿泊等ができます。もちろん、テントを張ってキャンプすることも可能です。エージェント所有のトイレ(カギをその都度借りる)や公共のトイレがあります。メディカルチェックあり。
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■ プラザデムーラス Plaza de Mulas(BC) 4270m

 言わずとしれた世界で最も整備されたベースキャンプと呼ばれるプラサデムーラスには、アコンカグア登山のためのエージェントが巨大なテントを設営して、登山者に様々なサービスを提供しています。食事、水、アルコール、シャワー、トイレ、ベッド、インターネット、記念のTシャツ等。エージェントが食事を作ってくれるので、専用の食堂で暖かい食事、飲み物を頂くことができます。夏の期間に、メディカルサービスセンターが設置され、高山病や他の体調不良の際の対応をします。さらに、登山者が高度に順応しているかどうかのメディカルチェックを行い、体調(心拍数、血中酸素濃度、問診)によっては、登山を止められることもあるそうです。メディカルチェックあり。
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■ Canada(C1) 4910m

 我々がC1として利用しました。BCを出発して初めのキャンプ場。1回は高度順応と荷揚げのために来ておきたい。
 テント設営場所:テントが30張り程度張れる比較的ななめっている場所で、岩石がごろごろしてテントを張るのに使える。
 水場:C2方向に歩いて5分くらいの近くに雪渓の川が流れており、運が良ければ泥水を得ることができます。我々はMSRの浄水器を持って行っていたので、泥水を浄化して飲料用としていました。
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■ Nido de Condores(C2) 5350m

 我々がC2として利用しました。BC以降で最も大きいキャンプ。レンジャーステーション、ヘリポートもあり、アコンカグア登頂時の最後の頼みの場所となる。
 テント設営場所:非常に広い平らな場所。テントは100張り以上張れそう。ただし、あまり凹凸がないので風が強い場合はテントを風が直撃する。テント設営の際は、しっかり岩で補強し、風向きを考え入口の方向をよく検討すること。
 水場:テント場の近くに雪渓が残っているので、溶かして水が確保できる。
 設備等:レンジャーステーションがあり、緊急時にヘリも着陸できるヘリポートあり。
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■ Berlín(C3) 5780m

 かつては最終キャンプとして使われていましたが、最近はもっと広く快適なCorelaが最終キャンプとして使われているようです。
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■ Corela(C3) 6000m

 我々がC3として利用しました。以前はベルリンキャンプが最終アタックキャンプとして用いられてきたが、けっこう汚い・臭いので、近年はこのCorela(コレラ)キャンプが最終アタックキャンプとして使われることが多いそうだ。
 テント設営場所:けっこう広い場所だが、風の通り道でもあるので、テント設営場所は少ない。風が弱い場所の周辺は整地されており、まわりにテントを張るための岩がごろごろしている。整地した場所は、30張り程度が張れる。
 水場:近くの雪渓で水を得ることは可能。ガチガチに凍った・氷を掘り起こす必要があり、シャベルは必携。ただし、我々が行った2012年12月には大きな共同シャベルが設置してありました。
 設備等:避難用のシェルターや無線設備が備えてあるが、利用は緊急時のみ。使い方もよくわからないので、あまり頼りにならない。
 その他:ベルリンからコレラへの登山道は最後が急な岩場で、フィックスロープやワイヤーが張っているので十分気を付ける。たいした場所ではないが、重荷を背負って6000mでの行動は大変。ここを過ぎれば、すぐにコレラに到着する。無線を借りている場合は、コレラキャンプの場所ではほぼ通じないので、BC方面に移動して斜面ギリギリのところで何とか通じる程度。
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装備

■ 個人装備

 現地で購入したものや、細かいものを含めると100種類くらいになりますが、個人装備の一部を紹介します。個人装備の観点は何を持っていくかというより、何をそぎ落としていくかという観点で選定していったほうが、早いです。とにかく、選りすぐることにもっとも注力してください。
 また、持っていこうとする装備はすべて重さを量ってください。
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■ 共同装備

 共同装備の選び方の観点は個人装備と異なります。主に、テント、ロープ、通信機器、記録機器、エマージェンシーキット、予備の装備など、安全のための装備で必要十分なものを選定します。何をそぎ落とすかという観点もありますが、持っていかなければならないものがたくさんあります。

天気

 海外の高所登山でも情報は最も重要な要素の一つです。特に、天気予報や現地の天気は登頂を左右する大きな要因の一つであることは間違いありません。これらの最新情報をいかに得て、現地でのタクティクスに生かしていくために様々な準備が必要になってきます。
 現地での天気予報の情報について、プラザデムーラス(BC)では、有料のインターネットサービスや、天気予報が張り出されるとのことですが、ベースキャンプ以降、ガイド達の情報以外に、現地でインターネット接続できる環境が整うのが困難かと思われるので、対策を検討する必要があります。
 我々のチームは、C1以降、2つの対策で情報をデイリーで収集することで対応しました。(1)日本国内のサポートチームから毎日天気・風力・風向き・気温の情報(テキストベース)で送ってもらう、(2)海外の天気予報サービスを提供している会社からデイリーで3日間、5日間の短期の天気予報を送ってもらう。この2つの情報と、現地の観天望気、中長期予報等の情報と合わせて、BCで登頂タイミングを検討していました。
 この章では、アコンカグア全体の気象概況、天気予報サイトの紹介、我々が実施した対策と対応を紹介します。

■ 気象概況

 12月〜1月のアコンカグア周辺の気圧配置は、太平洋側が高気圧、大陸側が低気圧の気圧配置となり、その結果、南半球では西から南寄りの風が吹くという気圧配置が顕著なようです。定期的に太平洋側からかたまった雨雲が、2〜5日程度の間隔を持って、大陸側に流れてくるというのが大きな天気概況かと思います。
 アコンカグア登山において特に注目すべきは3点。(1)アコンカグア周辺の等圧線が狭い/広い、(2)太平洋側からの雨雲、(3)500hPaの高層天気図の-25度の等温線です。

(1) 等圧線が狭い/広い

 国内の登山においても、等圧線の間隔が狭い場合は、標高が高くなるほど風が強くなります。7000mという高所では、その風の強さはもっとも注意すべき気象条件です。白い嵐 ビエント・ブランコという名前は、頂上付近の雪が強風によって舞い上げられ、真っ白い笠雲となり、視界も悪く風も強い最悪の気象条件になります。登頂日は、この等圧線の間隔にもっとも注意して、なるべく広い時にアタックしましょう。
 (A)は等圧線の間隔が広く風も弱いでしょう。その影響もあって、アコンカグア周辺に雨は降っていないため、山頂付近の天気もよさそうです。(B)は、等圧線の間隔が狭くなっており、風が強そうです。そのため、アンデス山脈に沿って雨雲が発達して高所では雪を降らせているでしょう。また、南の風も強くなり、寒気が近づいている時はさらに寒気を北に移動させる要因にもなります。
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(2) 太平洋側からの雨雲

 太平洋沖に定期的に低気圧が発達して、雨雲を形成しています。その雨雲が南アメリカ大陸に徐々に近づいてきますが、その方向と雨雲の広がりに注意してください。小さな雨雲であればアンデス山脈に近づくにつれてなくなっていく場合もありますが、大きな雨雲だとアンデス山脈にぶつかった際に大雪になる場合があります。この定期的な天気の循環は、登頂日を決めるうえで重要な要素になりますので、降雪後に登頂日とならないように何とか調整します。
 (C)この雨雲が3〜5日程度で南アメリカ大陸に到達して、アンデス山脈にぶつかり雨・雪を降らせます。気圧配置によっては、オレンジ色のラインのようにやや北上してアンデス山脈に移動していく雨雲もあるので、定期的に天気図を確認しましょう。逆に、緑色のラインのように南下していけば、アコンカグア登山にはあまり影響しません。なお、BCのプラザデムーラスでも、インターネット接続できるサービスを提供しているエージェント(ほぼすべてだと思います)のパソコンで確認できるので、こういった気圧配置と雨雲の流れを最低1日に1回は確認するようにしましょう。
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(3) 500hPaの高層天気図の-25度の等温線

 夏の期間でも500hPa(標高の目安 5500m)付近の等温線で-25度の寒気がアコンカグア周辺に移動してくることがあります。さらに、上述の(2)の雨雲が重なった場合、大雪になり登頂の難易度は一変します。南極大陸からの冷気のかたまりが定期的に南米大陸に近づいてきます。年や時期によってこの冷気の北上程度が異なるので、遠征を始める1〜2か月前くらいから傾向をつかんでいきましょう。
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■ 天気予報サイト

 アコンカグア山に関する天気予報サイトを紹介します。下記はアコンカグア登山に特化した情方法ですが、海外の天気予報サイトの使い方や紹介は、天気予報の活用(海外)のページから。

(1) Weather Online → リンク

 情報量は半端ないくらい多く、初めて見ると何が何だかがわかりません。テレビの天気予報で見る晴れ・曇り・雨等の標記から、短期・中期的な天気予報、気圧配置、風の情報など、世界の天気予報の情報をほぼ得ることができます。ただし、大局的なエリアでしか見ることができないので、国単位の局所的な状況を見ることが難しいです。このサイトから2つのリンクを紹介します。
 ・GFSモデルの16日間の長期予報:気圧配置、雨量、雨の範囲等が3時間ごとのアニメーションで見れて今後の計画に大いに役立ちます。登頂アタックの日付を決定する大きな要素となります。
 ・Height/Temp 500hPaの高層天気図:-25度の寒気の等温線がひとつの目安になりそうです。500hPaは大体標高5500m程度の気圧ですが、ほぼC2〜C3の標高になります。その標高で-25度の寒気がアコンカグア周辺に覆った場合、撤退するのが無難でしょう。頂上アタック時に、C3で-25度であれば山頂では-30度を超えてきます。さらに風も吹いていれば体感温度は-40度近くなります。6000mを超える標高で酸素も薄いので、低体温症、凍傷の危険がかなり高まるでしょう。この-25度ラインも登頂アタックの日付を決定する大きな要素となります。

(2) Wether Underground → リンク

 各都市の天気、風力・風向、湿度がリアルタイムに変わり、一週間の天気予報、緯度、経度、標高、衛星画像、日の出日の入り、最寄りの気象観測所の実況データリンク等情報量が多いです。お気に入り(Favorites)に都市を登録しておくと、現在の気温、天気、風力・風向、湿度が一覧表示されます。

(3) mountain-forecast.com → リンク

 2012年のヨーロッパ遠征ではもっとも良く参照したサイト。更新も頻繁に行われ、アタックする直前まで確認し、風の強さと気温を注視していました。山岳位置の概要、登録されていればその地域の写真、クライミングノートもあります。風力がkm/hで表現されるので、日本でおなじみのm/sに変換するには、XXkm/hのXXを3.6で割り算してください。
 ・アコンカグア山:山岳の天気、風力、雨量等が1,000m程度の標高ごとに表示されるサイトで分かりやすいですね。

(4) ARL → リンク

 GFSモデルのある地点における短期、中期予測がグラフで見れます。操作がわかりずらいですが視覚的に傾向が把握できて素晴らしいです。登頂日を決定したものこのサイトによるものが大きかったです。

■ 我々が実施した対策と対応


その他現地情報

■ レンジャーの役割

 この項目「レンジャーの役割」は、アコンカグア州立公園公式ホームページの一部を和訳したものになります。和訳内容については、正しくない場合がありますので、ご了承ください。
http://www.aconcagua.mendoza.gov.ar/
 レンジャーは環境管理・自然の保全や観光客への情報提供を担う公式の職務です。警察は公園内において立ち入りの管理、公園の規律を妨げる人の排除、制裁等の権限を有します。彼らは規則に基づき苦情を受け付け、公園の管理やより良い運営のために提案・貢献します。
 夏のシーズン中は、Plaza de MulasとPlaza Argentinaにおいて、無料の医療と予防の活動を行っています。訪問者はそれらのキャンプ到着時のヘルスチェックだけではなく、高山病の初期症状、他の病気や不快感等に対して利用することをお勧めします。

救助

 メディカルサービスの指示に基づいた救助の要請はレンジャーが担当し、必要に応じてベースキャンプからオルコネス峡谷入口に登山者を下山させ、Uspallata病院やメディカルセンターへ搬送します。救助を担当するレンジャーやメディカルスタッフが提供する情報、天候や視界状況といったことと、病状の重さに応じて、ムーラかヘリコプターで運ばれます。

ヘリコプターでの救助

 救助の必要性は、適切に委託された担当医か、担当医が不在の場合は、レンジャーか部門リーダー(Head of Department)が決定します。登山者の生命または、身体の安全を侵害するため緊急避難が必要とみなされた場合、深刻に迅速に判断する必要があります。次のものを含む:重度の浮腫(EAP)、凍傷2・3度、心臓疾患。
 避難は、生命または物理的な安全を約束しますが、病院でのケアや心理的なケアを必要としない患者は、降りなければなりません。次のものを含む:早期の肺と、脳浮腫、急性高山病(AMS)は軽度、第1度凍傷、水泡、パニック発作、疲労や脱水症状、状態の悪い高齢者などが対象となります。スペースが利用可能である限り、ヘリコプターにより救助されます。利用可能な席がない場合は、症状の出た者はムーラ サービスを要求するか、仲間と歩いて降りる必要があります。
・避難は、必要に応じて、HorconesやVacasの峡谷から行った救急車や移送車で患者を移送します。
・医師の指示、または、部門リーダーか代理が許可したときにのみ、例外的にメンドーサの街へ患者を転送することができます。
・避難にかかる費用には、医療サービスに加え、ヘリコプター費用、公園外輸送や医療サービスに関連するその他費用が挙げられます。
・極端なコンディション(南壁に登り、Polish Glacie、パラグライダー、半グライダー、極端なスキル)での活動を行うような場合に事故がおきたときは、捜索や救助にかかる余分なコスト、救急車や病院の経費等、特別費用として医療や避難費用を計上し、賠償しなければなりません。

トイレ

 訪問者は現地の小屋等にトレイを借りるべきです。高所のキャンプはパークレンジャーから配布される袋に糞尿用の袋を使う必要があります。これらの袋によって高所キャンプの維持・保全に大きく寄与していることを理解してください。

■ アコンカグア州立公園

 この項目「アコンカグア州立公園」は、アコンカグア州立公園トレッキング案内ページの一部を和訳したものになります。和訳内容については、正しくない場合がありますので、ご了承ください。
http://www.aconcagua.mendoza.gov.ar/
 アコンカグア州立公園は、自然とこの地域の文化を保護するために設立されました。地球上で最も貴重な資源の一つ、水源は、この公園の65.720ヘクタールにおよぶ氷河湖や源流に見ることができます。中央アンデスに位置し、広大で様々な土地の景色や、アコンカグア北峰(6962m)まで延びる5000mを超すピークを提供しています。その大きく深い谷が、はるかかなたまで広大な大地と視界を見ることができます。同様に、その水量が豊富かつ流れがはやい川は、茶色または赤みがかった白く、「ベガス」と呼ばれる緑の芝や草地の山腹を流れ落ちます。西半球の最高峰により近づこうと熱望しているため、これらすべての自然の営みは、多くの登山家やハイカーを魅了しています。ベースキャンプや遊歩道といった、この公共の土地に入るために、園内の保全と観光で自然の均衡を維持する目的で立ち入りを制限されています。
 短期および長期トレッキングを計画している人は、どのような理由でも標高4300メートルを超えてはいけません。許可された日数や制限された高度を超えた場合、同様に、制裁が彼らに課せられます。

アコンカグア登山についてのよくある質問

Q1.トイレはどうするのですか?

A1.あまり話題にしたくないが最も気になる問題が山でのトイレ。近年、アコンカグア山もし尿問題が大きくなってきており、レンジャーステーションでガーベッジバック(ゴミ袋)が渡されて、BCより標高が高い場所では大便を放置することはできず、BCもしくはレンジャーステーションまで持ち帰ることが義務付けられています。
 キャンプ地でトイレの対応が異なるので、それぞれのキャンプ地ごとに回答していきます。まず、コンフルエンシアやプラザデムーラス(BC)では、それぞれのエージェントが所有するトイレがあるので、管理者にトイレのカギを借りて使用します。カギがない誰でも使える共用のトイレがあるみたいですが、我々は使用しませんでした。
 BCより標高が高い場所は、大便の処理は自分でトイレセットを持って行って、BCまで持ち帰ります。ここで役に立つのがジップロック等の密閉できる袋です。この袋に、新聞紙1枚、ティッシュ1袋のセットを3〜4つBCで作っておきます。この1セットが大便1回分になります。小便は氷河や小川から離れた場所でやっています。
 大便の処理の仕方としては、(1)風の少ない岩陰に隠れます。テント場についたら、みんなで相談するか隠れそうな場所を事前に見つけておきます。(2)先ほど準備した袋の中から新聞紙を取り出して、地面に広げます。不安な方は数枚使うか折りたたむかして厚みをとります。風が強い場合は新聞紙がどっかに行くので、風に飛ばされない程度の小石を新聞紙の四隅に置きます。(3)新聞紙の真ん中にもよおします。(4)新聞紙を折りたたみ、先ほどの袋(ジップロック状の密閉できる袋)に押し込みます。(5)レンジャーから受け取ったガーベッジバックに入れます。(6)ガーベッジバックをBCもしくはオルコネス渓谷入口のレンジャーステーションで渡します。

Q2.私でも登れますか?将来登りたいのですがどんな経験が必要ですか?

A2.端的に答えると、トレーニングや経験を積めば登れる可能性は高まりますが、登頂できるかはわかりません。登頂できるかどうかは、自身の体力・技術・知識のほかに様々な要因が影響します。天気と天気予報、チームの体調や高度順応程度、他のチームの動向、現地での情報収集の程度と確からしさ、装備・食料等、運を引き寄せることも重要な登頂の要因になります。ページの上部で説明してきた周到な準備やトレーニングを着実にこなすことによって登頂の可能性は上がっていくと考えられますが、成功率は100%にはなりません。ただし、周到な準備とトレーニングがないと、登頂アタックすらできないことを肝に銘じて下さい。
 海外遠征の登山に必要な経験として、どんな状況でも楽しめる自分がいるかどうかが重要な要素の一つです。特に、地球の反対側の南米大陸7000m峰のアコンカグア山への挑戦は、多くの人にとって、一生に一度のビッグチャレンジとなります。遠征を決定する時、国内出発時、メンドーサから離れる時、BCから離れる時、頂上アタック時など、大きな不安に襲われることがあります。言葉は通じるのか?移動は大丈夫か?天気は大丈夫か?体調は万全か?よく眠れるか?バテたりしないか?食事は自分に合うか?忘れ物はないか?緊急時はどうするのか?登山申請は本当にできているのか?などなど、不安に思い出したら、止まりません。不安によって、睡眠を妨げられることもあるでしょう。しかし、そういったストレスフルな状況を自分が楽しめるようにポジティブに考えられるようになれば、登頂の可能性は格段に高くなります。このポジティブに考えられるようになれるかどうかは、国内での登山・旅行の経験や海外旅行の様々な経験が前向きな自分を後押しします。土砂降りでのテント山行、45kgを超えるボッカ山行、風力25m/sをこえる北アルプスの稜線での判断、夕食を忘れた時に行動食を削ってのひもじい夕食等、こういった地球上で生き抜く力を養うことによって、海外遠征時の様々な環境に対応する気持ち・モチベーションを維持することができます。このような意識を養うことは一朝一夕にはできませんが、将来海外遠征を思い描いている方は、意識して取り組むようにしてみてください。

Q3.アルゼンチンの食事ってどんなのですか?

A3.一言で紹介すると肉とトマトペーストです。どこでもかしこでも肉のかたまりを食べています。レストランで厚さ4cmを超えるかたまり、コンフルエンシアでは鶏肉、豚肉、牛肉を3回の食事でそれぞれ頂きました(その時はお客さんが少なかったので、おかわりあり)。肉好きにはたまらない文化ですが、ベジタリアンにはあまり優しくないかも。トマトペーストはもともと、スペインの植民地だったために、トマトベースの味付けが多いです。パスタ、肉料理、野菜の煮物の味付けなど。実際我々が頂いた食事をいくつか紹介します。
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