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雪山の装備

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 このページでは、雪山を登るために必要な装備と選択のポイントを学びます。個人装備では、ウェアリング(ベースレイヤー、ミドルレイヤー、シェルレイヤー)、小物(目出帽、サングラス、グローブ、靴下、ゲートル)、ブーツ、寝具(シュラフ、シュラフカバー、マット、テントシート)、登攀具(ピッケル、アイゼン)を中心に講習します。共同装備では、テント関連(シングルウォールテント、外張り、アンカー)、食事関連(コンロ、ガス、コッヘル、食事例)、ビバーク用具(ツエルト)を中心に説明します。また、雪山特有の登攀具(アイスアックス、ハーネス、ロープ、カラビナ、確保器)、アバランチレスキュー装備(プローブ、ビーコン、シャベル)も紹介したいと思います。
 雪山装備は、夏山のそれと比べて、ウェア、シュラフ、防寒着が重たくなり、さらに夏山で持たないようなアイゼン、ピッケル、ゴーグル等の装備が増えます。雪山装備では、一つ一つの装備をいかに軽量・コンパクトにするかがキーになります。装備の軽量化は、(1)重い装備の軽重化と(2)装備の選択にかかっています。(1)は重い順に、テント(1.5)、ザック(1.2)、シュラフ(0.9)、ブーツ(0.9kg)、アウターシェル(上下0.8kg)程度に軽量化してみましょう。(2)は重複する機能を避け、本当に必要かどうかを吟味しましょう。
 雪山登山のリスクのもっとも留意するものとして、「濡れることを避ける」があります。装備が重く、アイゼン・雪山登山靴をはいて移動がしづらいので、夏山登山に比べて運動量が高くなりがちです。なので、寒い!!と思った時にこそ、行動する前に1枚脱いでみましょう。雪山では、重荷、ラッセル、アイゼン歩行等、普段の山登りよりも負荷がかかる運動です。歩き始めて5分も経てばすぐ汗をかくでしょう。また、雪崩対応の3種の神器。ビーコン、プローブ(ゾンデ)、シャベルです。バリエーションルートや過去に雪崩が起こっている場所には必携です。
 雪山登山については、こちらのページから。

■ 雪山装備一覧

 雪山装備の一覧を示します。無雪期(夏山)の装備が流用できる場合も多いので、雪山装備をそろえるならば、まずは使いまわすことを考えましょう。登頂を目指さないトレッキングや周遊程度であれば、夏山の登山靴も使える場合があります。
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各装備の分類と選択のポイント

■ 雪山登山靴

 登山靴を初めて購入する際は、必ずお店に行って実際登山靴をはいて、歩いて、しゃがんで、登って降りて、座って、靴ひもを結んで、試してください。また、普段スニーカーやヒールしかはかない場合は、自分の足の大きさがわかっていない場合が多いです。お店に行って、自分の本当の足の大きさや左右の足の大きさの違いをしっかり認識して、足形(幅広、幅狭、足の指の形状等)をお店の人と相談して購入しましょう。初めて購入する場合は、絶対にインターネットショップで購入することは避けましょう!登山靴全般の各部位名称や選択方法はこちらのページから。

分類

 雪山登山靴は、ウィンターブーツ、単に登山靴とも言います。保温性向上のためにシンサレートやウールの保温材が入っているために、無雪期の登山靴と比べ重く、1足800〜1,200gになります。アッパー(アウター)の素材により(1)皮(レザー)、(2)化学繊維及び(3)プラスチックタイプの3種類に分かれます。(1)は耐久性がありはき続けることによって自分の足に慣れてきてやわらかくなり、はきやすく歩きやすくなるのが特徴です。デメリットとして、メンテナンスが必要なことと適度に重いことです。(2)は軽量、防水性・保温性も高く、剛性もあり近年もっとも使われています。(3)はほぼ完全な防水性と保温性が優れていますが、密閉性が高いため汗でインナーブーツが濡れやすい。
 初めて雪山登山靴を購入する場合は、(2)の化学繊維の雪山登山靴が使いやすくメンテナンス性も良いのでおすすめです。(1)の皮製雪山登山靴は、その色味、履き心地安さ、重厚感から、使い続ける多くのファンがいます。(3)のプラスチックブーツはプラブと呼ばれ、水分を多く含んだ雪がよく降る日本において、10年ほど前までは多く使われていましたが、重いこと、耐久性の判断が難しいこと(加水分解で劣化)から、近年はほとんど見られなくなりました。

選択のポイント

 (1)無雪期の登山靴で自分の足に合っているメーカーから、履いてみて自分の足型にある程度合っているかどうか確認する。3つ程度のメーカーを履き比べましょう。日本人の足はヨーロッパのそれに比べて幅広なことが大きいですが、横幅は、インソール、靴下の厚さで多少調整できます。
 (2)大きさは無雪期の登山靴より0.5〜1サイズ大きいものを選択します。保温のために、つま先部分に空気のデッドレイヤー(動かない空気で空気の層を作り保温するレイヤー)を作るため、つま先まで足をしっかり入れた状態でかかとが1-1.5cm程度余る大きさが良い。ただし、2足目や雪山登山靴に慣れてきて、寒さへの心構えができている場合は、夏山登山靴と同じサイジングで良いですが、多少寒くなります。
 (3)アイゼンでのつま先立ちを想定し、しっかり靴紐を締めて、つま先で立ってみてかかとが浮かないものが良い。ただし、ブーツの構造上かかとが浮く感じのものがあります。
 (4)お店でのためし履きは必須ですが、店内を30分程度歩いたくらいでは自分に合っているかどうかはわかりません。
 (5)アイゼンと雪山登山靴は相性があるので、必ずお店で確認して購入しましょう。アイゼンと登山靴で接地箇所が多いほうが安定します。
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■ シェルレイヤー(Shell layer)

 シェルレイヤーのウェアは、アウターシェル、アルパイン・ジャケットとも呼ばれます。シェルレイヤーは、外気と直接触れるレイヤーなので、防風性、保温性、透湿性、防水性が求められます。

分類

 アウターの素材、ストレッチ性、防水透湿性素材で分類されます。行動中には、アンダーウェアと共に最も良く使うレイヤーなので、初めて選ぶものから、良いものを選んで下さい。必ずフード付の物を選ぼう。

選択のポイント

 (1)自分の体形に合っているか(ウェスト、胴、胸、肩、首周りの大きさがある程度一定)を確認する。特に、ヨーロッパのメーカー等はウェストが細くなっているシェルもあるので、体系の各部位に対して一定間隔のあまり(すきま)があることを確認しましょう。
(2)身体を動かして(身体をひねる、手を上げる、両手を前に伸ばす)ストレスないか確認する。ストレッチ性のあるシェルはそのメリットが感じられ、動きにストレスがない分、激しい運動や高負荷な運動に大きく寄与します。
(3)1着目はLight Weightを避け、重量が500〜600gのCost PerformanceやHigh Performanceを選択することが望ましい。Light Weightは引き裂き強度が低いモデルが多いため、樹木、岩、鎖、ピッケル、アイゼン等でひっかけて破きやすいので、注意しましょう。
(4)迷ったら、1着目はよりシンプルなシェルを選択します。多くのポケットやジッパー類は様々な機能、利便性がありますが、それらをうまく使いこなすには慣れが必要ですので、はじめからそういった機能を使いこなすよりも、シンプルなものを使うことをおすすめします。
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■ ミドルレイヤー(Middle layer)

 ミドルレイヤーは保温性、透湿性機能を担います。

分類

 ミドルレイヤーは、(1)フリース、(2)ダウン、(3)ソフトシェルに分類されます。(1)及び(3)は行動中に着ますが、(2)のダウンは行動中に着ることはほとんどなく、テント生活や休憩中に羽織ります。(1)は、保温性がほどほどにあり通気性も良く幅広い温度帯で利用可能。風には弱い。(2)は、保温性が高く防風性がある程度あるものが多い。濡れに弱い。(3)は、雨の多い日本では敬遠しがちですが、雪山中心に使う場合は、高い透湿性と動きやすさ等から、多く利用されています。

選択のポイント

 (1)行動中の保温着であるフリースと休憩・テント生活時・行動中でも極度の寒さの時にダウンが必要です。どちらかを選択する場合は、目的の山岳に対してより厳しい環境条件を想定して選択します。装備の関係上どちらかを選択する場合は、ダウンのほうが保温性、防風性が高いので、ダウンを持っていくようにしています。
 (2)強風・低温を考慮し、フード付を選択しましょう(最低限フリース、ダウンのどちらか)。頭部は汗をかきやすく、体内の熱が放散しやすい個所です。寝るとき、極度の寒さの行動中など、頭部から首までをすっぽりおおうフードは、暖かいのでおすすめです。
 (3)汗や雪で濡れ、コア温度の保温のため、行動中は毛足の長いフリースのベストがおすすめです。フリースはある程度の保温性があり、透湿性もあり、ストップアンドゴーを繰り返す雪山の登攀にもっとも適しています。さらにベストはコア温度を保温し、暑くなりがちな手からワキにフリースがないので動きやすく、場所も取らないので雪山装備の最後にたどり着く装備の一つです。フリースのベストは雪山で使うたびに欠かせない装備の一つとなるでしょう。

■ ベースレイヤー(Base layer)

 雪山は運動強度と外気温が状況・行動によって様々に変化します。半袖1枚で行動する場合もあれば、5枚重ね着しても寒い場合があります。状況に合わせて適切なレイヤリングを実践しましょう。ベースレイヤーに求められる機能として、発散性(速乾性)、吸湿性、肌ざわり、なめらかさがあります。

分類

 素材から(1)化学繊維と(2)ウールに分かれます。(1)は吸水性、発散性が高く、保管・管理も比較的簡単なので登山のベースレイヤーの1枚目におすすめです。(2)は濡れても保温性が高く維持されます。においも付きにくく、長期山行に選択するクライマーは多い。

選択のポイント

 (1)ベースレイヤーの1枚目は保管・管理が比較的簡単な化学繊維のモデルを選択しましょう。
 (2)肌に直接触れるベースレイヤーは汗を吸水し発散することが重要なのでしっかりフィットするサイズを選びましょう。肩の大きさとウェストの大きさを身体にあてて確認します。着て確認するのがもっとも良いですね。
 (3)長そで、サムホール、プルジップ付が様々な環境で利用可能なのでおすすめです。

■ バラクラバ(目出帽)

分類

 バラクラバは、(1)ウィンドストッパーを使った防風性のあるもの、(2)フリース素材(起毛あり/なし)のもの、(3)薄手のものがあります。薄手のバラクラバは、非常時、就寝時と考え、前者2つから選択しましょう。

選択のポイント

 (1)初めて購入する際は、フリース生地の比較的安価なものでも問題ありません。

■ 手袋(グローブ)

 手袋は雪山装備の中でも最も重要です。凍傷になりやすい手を保温します。保温性を高めるためには、手袋の外皮と手の間に多くの空気の層を含めることができる比較的大きいサイズを選ぶと暖かくしやすいですが、ピッケル、アイゼン、ロープ等の操作性は悪くなります。逆にフィットしたサイズを選ぶと様々な運動をしやすいですが、外気と手が近づき、風が強いときは寒く感じるでしょう。

分類

 素材から防水透湿素材、防水素材、フリース・化繊、羽毛(ダウン)、ウールに分類されます。役割からインナーグロープ、アウターグローグ、オーバーグローブ、ウィンドストッパーに分類されます。インナーグローブは保温性、吸水性のあるフリース、アウターグローブは保温性、撥水性(防水性)のあるフリースもしくはシェル、アウターグローブは防風性、撥水性(防水性)のあるシェルが多いです。ウィンドストッパーは防風性を重視した薄手の緊急用のものが多いです。

選択のポイント

 (1)目的に応じて大きさを選ぶ:クライミングやロープを使う場合は、比較的フィットするサイズを選択する。ただし、グローブと手の間にデッドエア(空気層)が少ないので、保温性は低くなります。
 (2)雪山では最低限3種類は必要:インナーグローブ、アウターグローブ、オーバーグローブを持ちましょう。風で飛ばされたりすることを考えて、アウターグローブとオーバーグローブの2種類を持つのが一般的です。さらに、高い運動中の時に薄手のグローブがあれば完璧ですね。
 (3)アウターグローブはウールのグローブか保温性・防風性のあるグローブのどちらかを選択します。ウールのグローブは風を通しやすいですが保温性は高く、濡れにも強いのでおすすめですが、値段が高くメンテナンスが必要です。保温性・防風性のあるグローブは、主にソフトシェルの素材が多く、防水ではなく撥水加工がしてあるものが多い。
 (4)オーバーグローブは雪山用で防水性があればどんなものでも良い。オーバーグルーブはその機能性や耐久性から非常に高額なものがありますが、初めて購入するものは、インナーグローブをしたままオーバーグローブを装着できる大きさであれば、シンプルなものでも良い。

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↑アウターグローブに保温性・防風性のあるグローブを選択した例。

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↑アウターグローブにウールのグローブを選択した例。

■ クランポン(アイゼン)

分類

 素材から、(1)クロモリブデン、(2)ステンレス、(3)アルミに分かれます。(1)は信頼性が高く頑丈です。(2)は錆びにくい。最近モデルが増えています。(3)は軽量ですが、摩耗に弱くバックカントリーの非常用として携行されることが多い。(※チタンのアイゼンもMIZOから販売されていますが、軽量ですが非常に高額です。)
 前爪の形状から横爪(平爪)と縦爪に分かれます。横爪は雪面を大きくとらえることができるので安定し、雪に埋もれにくい特徴があります。縦爪は雪や氷に刺さりやすいため、アイスクライミングで使われますが、氷との設置面積が少なく不安定なので、初心者には向きません。

選択のポイント

 雪山の装備・登攀具の重要なギアですが、あまり選択肢はありません。ブラックダイヤモンド(BD)、グリベル、ペツル シャルレのいずれかのメーカーから、ウェア等の色に合わせて気に入ったものを選びましょう。
 (1)アンチスノープレート(スノーシャット)の付属しているモデルを選びます。
 (2)1本目は横爪(平爪)が望ましい。ペツルのサルケンのように縦爪・平爪タイプもあります。
 (3)自分のブーツに合わせ、靴底とアイゼンの密着するポイント(接地面)が多いほど安定します。靴底がフラットではないタイプ(特にセミワンタッチタイプ)のブーツはアイゼンの選択が難しいので、十分確認しましょう。
 (4)安定性と確実性の観点からワンタッチアイゼンが望ましい。一度大きさを決めると、毎回同じように装着できるので、経験の差による装着のミス等が起きにくいです。
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