アルパインハーネスの選択方法
基礎情報
■ About “Haeness” ハーネスとは
ハーネスとは、クライミングや登山などのアクティビティにおいて、自分の体重をロープや支点(岩や木に設置された支点)に支えるために腰と太ももに着用する安全帯のことを言います。クライミングや登山におけるハーネスは、その目的別に、一般的に、(1)スポートハーネス、(2)ハーネス(トラッドハーネス)、(3)Ice and Mixedハーネス、(4)アルパインハーネスに分類されます。一般的に登山におけるハーネスと言うと、(1)、(2)および(3)で使用するハーネスをさします。
フリークライミングでは(1)・(2)・(3)、アルパインクライミングでは(2)・(3)、雪山におけるアンザイレンは(2)・(3)・(4)、簡単な岩場の確保は(3)・(4)がお勧めです。
それぞれの特徴は、(1)はフリークライミングにおけるここ一番の勝負ハーネスで軽量化のためにギアラックが少なかったり、軽量化素材が使われおり比較的値段が高いです。(2)はマルチピッチやフリークライミング用で、体重を安定して支えるためにパッドが大きかったり、ギアラックが4つ程度ついていたり、多少重量はあるが使いやすく機能的にも充実しているものが多いですね。はじめて購入する場合は、このタイプを選びましょう。値段的にも一番安いですね。(3)基本的に(2)と同様の機能が備わっているが、多少軽量でギアラックにIce and Mixed用のラッキングシステムを取り付けられます。(4)下記参照。
クライミングや登山で使われるハーネスの種類は以上の4つが代表的だが、キャニオニング(沢登り、洞窟)、ビッグウォール、フルボディ、レスキュー等の目的に特化したハーネスもあります。
クライミング用のハーネスの選択方法はこちらを参照してください。
■ About “Alpine Haeness” アルパインハーネスとは
アルパインハーネスと言うと、クライミングハーネスと作りが違い、簡易なハーネスを思い浮かべます。もともとは、各社のハーネスの商品名に由来しています。クライミングで使用されるハーネスより、軽量なものが多く、機能も全く異なります。使い方と選択のポイント
■ 使用目的・使い方
沢登り、氷河歩き、簡単なバリエーションルート、雪山のアンザイレン等で使用するハーネスのことを言います。クライミングハーネスに比べ、長時間・完全に体重をかけてぶら下がることを想定していないためパットが薄く、アイゼンや雪山登山靴をはいたまま脱ぎ履きできる仕組みを設けており、ギアループやその他付属品が極限まで軽量化されているものが多いです。だいたい各社220g程度のものが多く、通常のハーネスよりストラップが細かったり操作性が異なることが多いので、仕組みを良く確認してから購入することをお勧めします。軽量で最低限の装備しか備わっていませんが、グローブをしても使いやすいように比較的各部分が大きいものが多いですね。■ 選択のポイント
機能はクライミング用のハーネスとさほど変わりませんが、使い勝手や素材がそれと大きく異なります。クライミング用のハーネスはぶら下がって体重をかけて安定感やフィット感を確認したほうが望ましいですが、アルパインハーネスはフィット感(サイズ合わせ)を確認すれば十分でしょう。この理由として、アルパインハーネスは元々長時間ぶら下がることを想定していないためです。選択のポイントとして、(1)フィット感、(2)各種l機能と重さの2つで判断してみてください。
選択のポイント(1) フィット感
クライミング用のハーネスはフィット感やぶら下がり時の安定感が重要ですが、アルパインハーネスはウェストの大きさを確認する程度で問題ありません。レッグループの調整幅も大きく、夏の沢登りから雪山の縦走に1サイズで対応できるようにできています。ラブジアースで取り扱うアルパインハーネスのサイズを並べてみました。
選択のポイント(2) 各種機能と重さ
(1)レッグループ:バックルで取り外し可能でアイゼンや雪山登山具を履いたまま・立ったままで装着が可能です。特に、高所登山ではアイゼンを脱ぎ履きすることも大変なので、立ったまま装着可能なハーネスは効果を発揮します。(2)ギアラック:2個程度。フリークライミング用に比べてギアラックが成形されておらずやわらかく、慣れないと取り出しにくく付けにくい。
(3)素材:パッキングしやすいように小さく折りたためる軟らかい素材が使われます。ウェストベルトの幅も小さく、積極的にぶら下がることを想定していませんので、長時間体重を腰にかけると腰のベルトで腰が痛くなることもあります。 (4)ビレイループ:最小限に細くできています。ビレイループとウェストベルトが外れて脱ぎ履きしやすいモデルもあります。
商品名 | 重さ | ギアラック数 | レッグループ | 素材 | ビレイループ |
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(1)アルパイン ライト (Alpine light) - マムート(mammut) | 310g(M) | 2つ | バックル式 | あり | |
(2)ゼフィール アルティテュード(Zephir Altitude) - マムート(mammut) | 228g(M) | 2つ | バックル式 | あり | |
(3)ブリッツ(BLITZ) - カンプ(CAMP) | 221g(S) | 3つ | バックル式 | あり | |
(4)コーラル - カンプ(CAMP) | 328g(M) | 2つ | バックル式 | あり |
アルパインハーネスとはに関するよくある質問
Q1.アルパインハーネスでフリークライミングすることはできますか?
A.できます。ただし、パッドがしっかりしたフリークライミング用のハーネスと軽量なアルパインハーネスでは使用感がだいぶ異なります。特に、体重をハーネスにかけてぶら下がった場合、アルパインハーネスは安定感に乏しく腰や股間が痛い場合があります。インドアでのジムクライミングで試してみて、問題がなさそうであればアウトドアでの利用を検討してみてください。Q2.アルパインハーネスと普通のフリークライミング用のハーネスの違いを教えてください。
A.重量、機能、使用感が異なります。(1)重量に関して、普通のフリークライミング用のハーネスは300〜450g程度のものが多いですが、アルパインハーネスは200g台のものが多く軽量です。(2)機能に関して、アルパインハーネスはギアループ(ギアラック)が少なかったり、様々な機能が省略されている場合があります。(3)使用感に関して、軽量化のために各種ベルト・ループ類が細くできているので装着した時に動きの妨げになることが少ない。ただし、体重をかけたときに細いベルト・ループで体重を支えるので痛かったり、締め付けられるような感覚があります。Q3.剱岳や大キレットに挑戦しようと思いますが、ハーネスは必須装備ですか?
A.必須装備です。剱岳や大キレットは一般登山道では、国内で最も難しいルートになります。これらのルートでは、岩場、鎖場、ハシゴが連続し、滑落の危険性が高くなります。また、こういったルートでは毎年滑落や落石等によるケガが発生しており、自分たちのメンバーや他人が事故に合わないとも限りません。万が一のためにソロで行く場合でもハーネス、ヘルメット等を装着し、安全に対して最大限に準備してのぞみましょう。また、ハーネスを装着すると気持ち・身が引き締まって、程よい緊張感も得られます。このページに関連する商品のリンク
■ エキスパートアドバイス
2014-01-28 18:03
選択方法
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