ゲイターの選択方法
ゲイターを装着することによって、ズボン(パンツ)の裾がひらひらすることなく、泥や砂ぼこりで汚れることを避け、登山靴に異物が入ることを防ぎます。
基礎情報
■ ゲイターの各部名称
■ About “Gaiter”(ゲイター、スパッツ)とは
ゲイターは、スパッツとも呼ばれ、パンツ(ズボン)と登山靴の隙間にかぶせるように装着する装備です。雪山、雨、砂ぼこり、砂利などの環境から、登山靴にこれらの水や泥、砂等が入り込むことを防ぎ、パンツの裾が濡れたり汚れたるすることを防ぎます。最近では山でのおしゃれアイテムとしても浸透してきており、カラフルな色彩やチェック柄など雨で憂鬱な気持ちをぱっと明るくしてくれますね。
ニュージーランドでは、このゲイターと短パンを合わせることをキウィスタイルというそうです。
■ 選択のポイント
ゲイターはその利用目的から、3つの分類に分かれます。国内での登山の利用ですと、(2)がおすすめです。(1)は生地が薄かったり、登山靴と合わない場合があるので、注意して購入しましょう。(3)は海外遠征、高所登山、極所登山等で使います。(1)トレイルゲイター(Trail gaiters):その最低限の目的から薄く軽く、透湿性・通気性に優れたモデルが多い。主な機能として、砂ぼこり、砂、泥等が登山靴に入り込むことを防ぎます。発生性があるモデルが多く、完全防水のモデルは少ないです。
(2)アルパインゲイター(Alpine gaiters):アルパインゲイターは、トレッキング、登山、クライミング、アルパインクライミング、雪山登山等、様々なアクティビティで使うことができます。防水性があるモデルが多く、比較的高いモデルが多いです。
(3)極地用ゲイター(Expedition gaiters):高所登山用のゲイターで、ネオプレーンの保温材や防風性、防水性、透湿性があり、しっかりした生地のもの。国内で使用することはほとんどなく、海外の4000m以上の山岳で使います。
ゲイターに関するよくある質問
Q1.ゲイターは山登りのために必須装備ですか?
A1.必須装備ではありません。あればより快適な装備の一つです。ただし、以下の状況の時はアルパインゲイターの装着が必須の時もあります。(1)雨が降っているもしくは雨の予報が発表されている時。登山では、足を曲げ伸ばし山を登ったり、下ったりします。そういった際に、レインウェアと登山靴の間から雨がしたたり落ち、登山靴に水が入り湿ってしまうことがあります。
(2)雪山でラッセル等の深雪が想定される時。この場合は、ゲイターを装着していないと、登山靴に雪が入り湿ってしまい、凍傷や低体温症のリスクを高める場合があります。
Q2.雨具の上に、それとも下に装着、どちらが正しいの?
A2.ケースバイケースですが、人の好みによって変えても問題ありません。それぞれメリットとデメリットがあります。(1)雨具の上からゲイターを装着するのメリットは、雨具のパンツの裾が泥や砂等の汚れることを防ぎます。装着も簡単です。デメリットは、雨量が多くなってきた場合は、雨具とゲイターの隙間から水が浸入して、インナーパンツを濡らすこともあります。また、足の曲げ伸ばしの際に少し動きにくかったり、ひざを曲げて伸ばすと雨具のパンツがダブついてしまうことがあります。(2)雨具の下に装着するメリットは、動きやすさと雨を自然に流すため、インナーパンツが濡れにくいということでしょう。デメリットは雨具の裾が汚れやすいですね。Q3.夏山で使っていたゲイターは雪山でも同様に使えますか?
A3.使えますが、耐久性の問題があります。主に夏山で使うアルパインゲイターは、雨水が登山靴に侵入することを防ぐ目的のため、防水性のみの機能が重視され、生地が薄いモデルが多いです。これに比べて雪山用のアルパインゲイターは比較的生地が厚い(地厚)のモデルが多いです。これは、アイゼン、ピッケル等の鋭利な装備から身を守る意味と、歩行中のアイゼンの引っかけの際にゲイターが破れないように生地が厚くなっています。夏山で使う薄手のゲイターを雪山で使った場合、アイゼンを引っかけるとビリビリ破れることがあります。こういったリスクを承知で使う分には問題ありません。
2014-06-08 14:39
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