ウェアのレイヤリング
アウトドアでのウェアリングは行動中の重要な技術になります。行動や外気・天気に合わせて、適切なウェアを重ね着して、常に肌をドライに保って快適に行動を心がけましょう。
スリーレイヤー
山登りやアウトドアでの生活は、寒さ、暑さ、風が強い、雨、雪、岩、樹木等様々な環境にさらされる中、山を登ったり・下ったり、クライミング、休憩、食事、テント泊等のアクティビティを楽しみます。そういった、様々な環境下で自分の運動パフォーマンスを発揮するために、適切なウェアリングを選択しましょう。ウェアの機能には、防水性、保温性、透湿性など様々な機能があり、それらを複合的に組み合わせて、夏の暑い時の急登から、冬の風雪が強い稜線までウェアリングで対応します。ウェアリングの基本的な考え方として、スリーレイヤー、つまり3層のレイヤーで様々な機能を複合的に使っていく、という考え方があります。もっとも肌に近いベースレイヤー、真ん中のミドルレイヤー、一番外のシェルレイヤーの3つです。登山やアウトドアにおいて、これらに求められる機能を適切に着たり、脱いだりして、心地よいアクティビティを楽しんでみてください。
■ 1.ベースレイヤー
ベースレイヤーは肌と接するので機能性の他に肌ざわり、質感で着心地がちがいます。ベースレイヤーに求められる機能として、発散性(速乾性)、吸湿性、肌ざわり、なめらかさがあります。素材:ウール、化繊等速乾性のある素材
求められる機能:速乾性、吸水性
■ 2.ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは保温性、透湿性機能を担います。ミドルレイヤーは、(1)フリース、(2)ダウン、(3)ソフトシェルに分類されます。(1)及び(3)は行動中に着ますが、(2)のダウンは行動中に着ることはほとんどなく、テント生活や休憩中に羽織ります。(1)は、保温性がほどほどにあり通気性も良く幅広い温度帯で利用可能。風には弱い。(2)は、保温性が高く防風性がある程度あるものが多い。濡れに弱い。(3)は、雨の多い日本では敬遠しがちですが、雪山中心に使う場合は、高い透湿性と動きやすさ等から、多く利用されています。素材:フリース、ダウン、ソフトシェル等。
求められる機能:保温性、防風性、透湿性、(撥水性)
■ 3.シェルレイヤー
シェルレイヤーは、外気と直接触れるレイヤーなので、防風性、保温性、透湿性、防水性が求められます。シェルレイヤーのウェアは、アウターシェル、アルパイン・ジャケットとも呼ばれ、雨・雪・樹木・岩・低温等の外環境から守る殻(シェル)の役割を担います。アウターの素材、ストレッチ性、防水透湿性素材で分類されます。行動中には、アンダーウェアと共に最も良く使うレイヤーなので、初めて選ぶものから、良いものを選んで下さい。必ずフード付の物を選ぼう。素材:防水透湿性素材、ソフトシェル、防風シェル、防水素材等。
求められる機能:防風性、防水性(撥水性)、保温性