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ザックの選択方法

ザックの選択方法
 ザック、リュック、バックパック、ルックサック、パック・・・等、様々な呼び方があります。登山に必要な重要な装備として、自分の登山の目的に合わせて購入しましょう。
 登山装備の中でも、保管に際してザックは大きく場所をとるので、(1)日帰り用、(2)1泊2日山小屋泊用(〜35リットル)、(3)2泊3日夏山テント泊(〜55リットル)くらいの3つくらいの大きさを持っていると、使いまわしができて便利です。初めて購入する際は、40リットルくらいの大きさだと、各メーカーの主力製品から選べ、日帰り登山や山小屋1泊2日程度使えるものとして長く使えます。
 このページでは、ザックの使用方法、選び方、特徴等を説明し、どういった観点から選ぶかを説明します。

基礎情報

■ ザック・パックの各部名称

ザックの各部位名称

■ About “Backpaks”(ザック・バックパック)とは

 登山の時に様々な装備や食料を詰め込み背中に背負うものです。ここ4-5年は、生地やストラップ等の軽量化が進み、軽くて背負いやすくなっています。各メーカー様々な大きさのザックを販売していますが、デザインと背負い心地は密接な関係があります。まずは、最も売れている40リットル前後のザックを試してみて、自分に合いそうなメーカーやモデルを探してみましょう。

使い方・選択のポイント

■ 使用目的・使い方

 登山行程に必要な様々な装備、食糧、食器、衣類、寝具等を入れて、背中に背負います。登山中に頻繁に出し入れするもの(水、行動食、タオル、地図、コンパス)やレインウェアは、出し入れしやすい場所に入れておきましょう。ザック自体の重さは、500g程度から3kg以上まで様々なモデルがありますが、このザックに荷物を入れた総重量は、日帰りだと3〜6kg程度、1泊2日だと10kg程度になります。いずれも無雪期の重さの目安です。
 山登りの休憩中には、ザックの中に入れている水や行動食を取り出して、飲んだり食べたりして、水分・栄養・カロリーを補給します。時には、ザックの上に座ってイス(ざぶとん)としても使います。やわらかくて座りやすいですが、座る場所に壊れやすいもの(サングラス、ゴーグル、食糧)を入れないようにしましょう。
 1泊2日以上の日程の場合、テントやシュラフ、コッヘル等の宿泊場所に到着してから使用する装備は、ザックの一番下に入れておきます。特に、シュラフや衣類を下から積めておくと、上部に積めた装備の重みで自然と押しつぶされて、下に詰めたものの容量が減っていきます。

■ 選択のポイント

 ザックは種類は非常に多く、見た目、容量、重さ、素材、機能、色、肩・背中パッドの種類、1気室・2気室、メーカー独自の性能等、初めて購入する場合は何を基準に選んで良いか迷うところです。ザックはその目的によって必要な大きさが変わってきますので、主に3つの観点から選ぶと良いでしょう。2013年度(平成25年度)に発売された各メーカーのザックや既存の人気ザックをまとめて、比較します。
 初めてザックを購入する際は、40リットルの各社のモデルを比較して、形、色、ロゴ、雰囲気等の気に入ったものを選択しておき、お店で実際に背負ってフィッティングしていきます。この40リットルという容量は、山登りで最もよくつかわれるので、各社の主力製品がそろい、日帰りや山小屋泊の1泊2日等に長く使えるザックとなるでしょう。40リットル前後の、35〜45表記であれば、ほぼ40リットルととらえて問題ありません。
 (1)登山期間(登山する日数):日帰り、1泊2日、2泊3日といった期間と山小屋泊かテント泊といった宿泊のスタイルに分かれます。
 (2)登山スタイル:登山のスタイルは様々で、とにかく最軽量で長距離を歩くロングトレイルや、様々なレクリエーション装備を詰め込んで家族で楽しむキャンピング等、個人の趣味・指向によって、持っていくものが変わります。山での生活に何を重視するかで登山のスタイルは変わってきます。このページでは、クライミング用、縦走用、ウルトラライトの3つに分類して説明しています。
 (3)背面長:いくら気に入ったザックでも自分の身体にフィットしないザックは背負えません。首の付け根部分から腰骨の両サイド上部分までの長さを背面長と呼びますが、この長さとザックの背面長が合っていないと、肩・背中・腰でバランスよく荷重を分散させて快適な背負い心地は得られません。

選択のポイント(1) 登山期間による無雪期のザックの容量のめやす

 日帰り、1泊2日(一泊二日)、2泊3日(二泊三日)、3泊4日(三泊四日)、4泊5日(四泊五日)の山小屋泊とテント泊のそれぞれのスタイルに合わせてザックの容量の目安を示します。1泊以上する場合は、山小屋泊とテント泊のザックに入れる共通装備は、レインウェア、防寒着、行動食、水筒、その他小物(ヘッドランプ、地図等)ですが、それに加えてテント泊では、テント、シュラフ、マット等の寝具類やコッヘル、バーナー、朝食・夕食等の食事関係の装備が増えます。テント泊では山小屋泊の装備に15〜25リットル程度の装備が増えます。
 ただし、メーカーによって容量表示と実際の容量やパッキングしやすさなど大きく違っており、開口部分の大きさ、ザック内部の形状、各種ジッパー類の開閉など実際に店頭で確認してみてください。特に、1気室と2気室の違いは、使い勝手に大きく影響してくるので、まずは1気室のものを試してみてそれに不便を感じたら、2気室のものを試すようにしてみてください。2気室の使い方としては、下の部分にテントやレインウェアを入れることによって、雨が降ってきたらレインウェアを出しやすくしたり、テント場に到着後すぐにテント設営できるように工夫してみましょう。
 最近のウェアやギアの軽量化を考慮すると、1泊2日の山小屋泊では20リットル〜35リットルが適当ですが、持っているウェア、持っていきたい嗜好品(ビール、おつまみ、カードゲーム、本等)によっては足らなくなる場合があります。あくまでも一般的な登山者が必要な装備を持っていく場合を想定しています。
ザックの容量・大きさのめやす

選択のポイント(2) 登山スタイル

 登山のスタイルは個人の志向によって大きく変わるので、比較することが難しいのですが、ここでは縦走用、クライミング用、ウルトラライトという軸と重さという軸で説明します。初めてザックを購入する場合は、機能や使い勝手が最も一般的な縦走用で検討してみてください。
 ザックの主なメーカー(※)の中型ザックの代表 40リットル周辺のザックを、縦走用とクライミング用で並べてみました。(3)縦走用が最も一般的なザックで、初心者はまずこのタイプを選択しましょう。そして、自分の目標とするスタイルに合わせて、クライミングや岩稜をやりたいなら(2)や(1)を、より長く快適に歩きたいなら(4)や(5)のタイプを検討してみてください。
 (1)クライミング用:マルチピッチの岩場、冬期登攀等のアクティビティを想定して作られたザック。岩や樹木に引っかかりにくくするため、ザックの外側にはポケットやストラップを極力省き、シンプルな1気室が多い。岩に擦れることを想定し、生地が厚く引き裂き強度が強いモデルが多い。シンプルな構成のためわかりやすく使いやすいが、使い勝手がいい機能を省いているので、初心者には不便に感じることがあります。
 (2)岩場・岩稜用:(1)と(2)の中間モデル。一般縦走路に岩場・鎖場・ザレ場等が出てくるルートに適しています。
 (3)縦走用:もっとも一般的な機能や形状のため、山登り初めての方におすすするタイプです。一般登山道の縦走を想定し作られたザック。しっかりした背面・ショルダーパッドが特徴で、重たい荷物を快適に背負えるように工夫がしてある。頻繁に使う装備を取り出しやすいようにサイドポケットが多く、自分の好きなように使いこなしやすい。大型モデルには2気室タイプが多い。
 (4)ライトウェイト:(3)と(5)の中間モデル。
 (5)ウルトラライト:ロングトレイルのような超長距離を軽量で歩く目的で作られたザック。背負い心地や生地の強さはメーカー様々で、もっともそのメーカーの特性が現れます。一般的に、機能が少ないので使い勝手が悪い、軽量化のため背面パッドや肩パッドを薄くしているので背負い心地がいまいちだったり、モデルによって背負える最大の重さを定めている等、軽さを得るためにザックの機能を減らしているものも多くあります。上述の(1)〜(4)に比べてザック本体の生地が薄く、引き裂き強度が少ないため、岩や木にひっかかると、簡単に裂けてしまうモデルもあります。ザックの特徴と自分の志向(目的とするルート、距離)を理解して購入する熟練者向きですので、このタイプを購入するときは十分検討しましょう。
※メーカー:マムート(mammut)、サレワ(salewa)、カンプ(CAMP)、ボル(Boll)、グレゴリー(Gregory)、ブラックダイヤモンド(BD)、オスプレー(Osprey)、ミレー(Millet)、モンベル(Montbell)、ゴーライト(Golite)等。
バックパックの登山スタイル

選択のポイント(3) 背面長

 首の付け根部分から腰骨の両サイド上部分までの長さを背面長と呼びますが、この長さとザックの背面長が合っていないと、肩・背中・腰でバランスよく荷重を分散させて快適な背負い心地は得られません。背面長は、バックレングスやトルソレングスともいいます。

ザックに関するよくある質問

Q.1 ザックを背負うと肩が痛くなります。なぜですか?痛くならないコツを教えてください。

A1. ザックを背負った時、痛くなる原因として(1)背負い方(調整方法)が間違っている、(2)ザックの特性に従った荷重分散のやり方が間違っている、(3)肩の筋肉が少ない、(4)荷物が重い、等の原因があります。(4)については、本項目の回答では省きますが、長時間・長距離歩くロングトレイルでは重要なウェイトを占めてきます。
 (1)について、こちらのページを参照して、正しい背負い方を心がけてください。ザックのフィッティングは、山登りの休憩の時にザックをおろしたたびに確認するようにしてください。自分の体調、ザックの重量によっても、自分が快適なフィッティングが異なってきますので、めんどくさがらずに実施してください。
 (2)について、ザックの重さは、肩、背中、腰の3つに荷重を分散して、1か所に荷重が集中しないように背負うのがセオリーですが、各ザックの特性によって、この3つのバランスがそもそも違います。各ザックを背負ってみなければわかりませんが、おおよそ下記の内容を目安に考えてみてください。
 ・クライミング用、岩場・岩稜用:比較的軽い荷物(最大でも15kg程度)を想定しているので、大型のザックは少ないです。また、軽量化が進み動きやすさのためにウェストベルトが取り外せるシンプルなモデルが多いです。以上のことから、これらのモデルは主に肩で荷重を支えます。これらのザックを選択した場合、背中のパッドが薄く・固く、ウェストベルトもシンプルかつ細い場合が多いので、肩に荷重が集中して肩が痛くなるパターンが多いです。
 ・縦走用:連泊可能な大型パックも多く、比較的重い荷物(25kg程度)を想定しています。長時間、何日も背負うことがあるので、機能が多くザック自体の重さも比較的想いのが特徴です。重い荷物に対して、身体への負担を和らげるために、肩パッド、背中パッド、ウェストベルトのバッドがしっかりしたモデルが多いです。以上のことから、肩、背中、腰の3つで分散してバランスよく背負います。感覚的ですが、重さをかける感覚は、肩:背中:腰=2:1:3くらいな感覚です。ただし、これらのバランスは登山中の疲労度によっても分散する割合が異なりますので、あくまでめやすと考えてください。
 ・ウルトラライト:この分類は、モデルによって大きく機能が異なるので一概には説明できませんが、一般論として説明します。軽量化のため、ザックの機能を最低限実装する方針のモデルが多いため、背中のパッドやウェストベルトのパッドを省くもしくは簡易なものがあります。以上のことから、これらのモデルは主に肩で荷重を支えます。
 (3)について、重い荷物を背負うと肩の筋肉が付いてきて、重い荷物を楽に背負えるようになります。これは、ザックを背負って長時間歩くことによって筋肉が付くので、実際の山登りで鍛えてください。

Q.2 ずばり、おすすめのザックを教えて下さい。

 ずばり、お教えしましょう。これまでに使ったザックは50以上。常時30〜40のザックを所持・酷使している店長のおすすめ(思い出)の一品を紹介します。ラブジアースで取り扱っていないモデルもおすすめしタイと思います。ちょっとクライミング用に偏っていますが、(1)オスプレー バリアント37(クライミング用)、(2)マムート セロンプロ40(クライミング用)、(3)グレゴリー Z40(縦走用)、(4)カンプ M4(ライトウェイト)、(5)オスプレー ホーネット46(ウルトラライト)、(6)MHM サリュート34(シャイニーファン)の6つを紹介したいと思います。
 (1)オスプレー バリアント37は、2008年8月にロストアローから販売開始。販売前から前評判が良く、発売と同時に山道具屋から消えていきました。人気のあまり、どんどん量産し山で見かけることが多くなったザックの一つです。ただし、クライミング用にできているため、背面・腰パッドは固く、肩パッドも申し訳ない・・・程度です。なので、女性向きではなく、方の大きさ肩・背中パッドが合わず、苦労していた方もよく見かけました。はじめは、52、37、28リットルの3つのラインナップで販売されていましたが、28はいつの間にか消えていました。ただし、最小容量・バランスの良さから個人的には28もよく使用しています。52はちょっと大きすぎる感があります。オスプレーのザックは、大体40リットル程度を基本構造として、その上と下に同シリーズのコンセプトやデザインを展開することで、モデル数を増やしています。もっとも使っているのは37ですが、37リットルではありません。ふつうのザックの容量で言うと、45〜50リットル程度入る気がします。このザックで冬季の剱岳に入った時は、約10日分の食料、テント、ロープ、登攀具等を含めてこれで何とか足りました。良い点としては、無雪期・積雪期を問わず、様々なクライミングを想定して、分厚い生地、十分な機能と心地よい使い勝手が魅力的です。
 (2)マムート セロンプロ40(クライミング用)はシンプルかつ頑強な一品です。どんな山行にもガンガン使え、縦走、クライミング、旅行等タフに使える一品です。
 (3)グレゴリー Z40(縦走用)は、とにかく背負い心地が良いの一言。ショルダーストラップ、ウェストベルト、背面パッド等は上位モデルよりも比較的薄く作られていますが、さすがグレゴリーの背負いやすさと軽量化が見事に実現されたモデルです。重たい荷物でも背中全体を包むような背負い心地はさすがグレゴリーと言わざるを得ません。
 (4)カンプ M4(ライトウェイト)は、次世代のザックそのものです。今後、2〜3年はこの部類のモデルが増えていくと思います。山道具の軽量化が進み、装備全体の重量が少なくなり、容量も減っている中、無雪期・積雪期問わず、日帰りや1泊2日程度の装備が40リットル程度のザックに入るようになっています。ザック自体の軽量化、必要かつ便利な機能、適度な重さに耐えられる肩・背面・腰パッドがそろっている珍しいザックです。全体的な生地は薄くできていますが、マルチピッチ、アイスクライミング、冬期登攀に耐えられるタフさはあります。実際このザックでテント泊の槍穂縦走(3泊4日)、残雪期の黒部横断(5泊6日)の経験もあります。
 (5)オスプレー ホーネット46は、2011年1月にロストアローから販売開始。この頃は登山装備の軽量化合戦が激しく、グラナイトギア、ゴーライト等こぞってウルトラライト製品を発表していました。ただし、多くの商品はウルトラライトを追求したあまり、普通のザックと背負い心地、機能が大きく違い、なかなかこれらの商品に手が出せなかったと思います。しかしホーネット46はほぼ普通のザックと同様の形態、機能を実現し、基本素材を軽量化することによって、ウルトラライトを達成しています。多くのロングトレイルをこのザックで挑戦していますが、やぶ漕ぎがない限り、破れることはないでしょう。
 (6)MHM サリュート34は2011年に発売。日本で扱っているショップが少ないため僅少です。このザックのコンセプトはとにかくアウトドアを自分らしく楽しむこと!だと感じます。34リットルという容量でなんと2.04kg。重いです。しかし、この重さには製作者たちの想いが詰まっており、楽しい機能、こんなの必要か?と思える機能まで入っています。ウルトラライトじゃない、登山、アウトドア、キャンプ、バックパック、フェス・・・なんにでも使えるから、なんにでもガンガン使ってみたい一品です。
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